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一周年記念リクエスト企画①

二度目の予告期限内にはギリギリ間に合いました。
本当にギリギリで申し訳ありません。

今回は、ゆう様から頂いたリクエスト、「アリアバートが部下に人気がある話」です。

続きを読むから開きます。



一日遅れのホワイトデー





白と青と金で包装された四角い箱。
「良いだろ、これ」
と言って同室の同僚が見せてきたのは、おそらくホワイトデーのプレゼントだと思われた。
「恋人からか?」
別に羨ましくなどない。彼の恋人はやせ型で、好みではない。それに、
「お前、バレンタインとホワイトデーを取り違えていないか?」
ホワイトデー、普通は男がバレンタインデーのお返しをする日だ。
「アホ。彼女にはちゃんと花束を贈ったさ。これは、アリアバート様から頂いたものだ。」
「何だって!?」
自慢げに見せびらかしながら、いかにも大事そうにデスクの上へ置いた。
「バレンタインデーのお返しだ。バレンタインプレゼントを送った者全員に配られるんだと。
…お前は貰えなかったんだろ?」
優越感に満ちた同僚の表情は、非常に憎々しい。
「お、俺は…
いいんだ!俺は、アリアバート様にチョコを食べて頂けただけで満足だ。見返りなど求めていない!」
精一杯の負け惜しみだ。
見返りを求めて送ったわけはない。チョコを受け取ってもらえただけでも嬉しいのは事実だが、もしお返しが貰えるなら、家宝にする勢いで嬉しいに違いない。
バレンタイン当日アリアバートにチョコを贈ったのだが、さり気無さすぎてバレンタインプレゼントだと気付かなかったのかも知れない。今日仕事で何度か顔を合わせる機会もあったのに、何も貰えなかった。
「クッキーだ。お前にはやらんぞ」
それはそれは丁寧に包装を解いて箱を開けた中には、いかにも高級そうなクッキーセットが入っていた。
包装紙とリボンを丁寧に畳み片付けると、クッキーをしばらく眺めた後、やはり大事そうにしまった。そんな同僚が憎らしく、後で全部食ってやろうかとも考えたが、これからも同室である可能性の高い彼と無駄な諍いを起こすのも面倒な気がしてやめた。




アリアバートの執務室では、アリアバートは既に机に向かっていた。
武官とはいえアリアバートの書類仕事は多い。いかにアリアバートが優秀とはいえ、補佐がいなければ全ての仕事をこなす事は出来ない。
「遅くなり申し訳ありません。」
できる限り急いだのだが、離れた所にいたために呼び出しから随分と時間が経ってしまった。
「いや、突然呼びつたのはこちらだ」
アリアバートの長所の一つは、短気ではない所だ。
叱られるとは考えていなかったが、多少緊張していたようで、アリアバートの許しの言葉に無意識にホッとしていた。
アリアバートのデスクのそばに飲み物すら用意されていないのを見て、慌てて用意する。
「どうぞ」
紅茶をカップに注ぎ、アリアバートに出す。
「ああ、ありがとう。」
書類からいったん顔をあげたアリアバートと目があった。その瞬間、アリアバートの目に驚きの表情が浮かんだ気がした。
「お気に召しませんでしたか?」
「いや、すまない、そう言えば君は、バレンタインにチョコレートをくれたな。」
(覚えていてくださったのか!)
自分だけ何も貰えていない事を密かに僻んでいたが、アリアバートが覚えていてくれたというだけで何もかもチャラになる気がした。
「私は貰っていただけただけで…」
「美味なチョコレートだった。忘れていたわけではないのだが…。」
正直なところ、アリアバートはあれがバレンタインプレゼントとしてのチョコレートだと今気がついたのだ。仕事の合間にさり気無く出された菓子は、しかし普段は用意されていないもので、それならば部下が個人的に用意したものに違いなかった。
「残念だが、昨日でホワイトデー分のクッキーはなくなってしまったのだ。また後日用意しよう。」
「いえ、もったいないお言葉です!何もお返しを期待していたわけでは…。」
「では、これを貰ってくれないか。悪いものではないから、長く使えるだろう。」
と言ってアリアバートがくれたのは黒い軸に、金で模様を描かれた万年筆だった。新しいものではないが、使いならされた品である事を差し引いても安いものではない。
「そんな、私などにこんな…」
「いらないのなら、別のものを用意しよう。」
「いえ!いただきます!」
いくら高級なものでも、他の皆と同じクッキーを貰うより、アリアバートの使用していた万年筆の方がどれだけ嬉しい事か!
「家宝にします!」
興奮したような部下に、アリアバートはいささか困惑した。
「いや、すまないが、そこまで良いものではない。なんならもう少しマシなものを…」
しかし、結局部下はその万年筆を喜んだ。
元々優秀な部下だったのだが、特にその日は能力を遺憾なく発揮したので、仕事は随分と捗った。




   後書
ゆう様、リクエストどうもありがとうございました!
リクエストに添えているかどうかはわかりませんが、とりあえずこんなもんでどうでしょうか。
最初は、コミック2巻でのアリアバートに怒鳴られている部下を他の部下が羨ましがって、最終的にアリアバートになら鞭打たれたいとか言いだす部下たちの話にしようかと思ったのですが、マゾの気持ちとかが想像できず挫折しました…。
P.S.
「食事の作法」好きと言ってくださってありがとうございますvあの話は考察期間が長いので、好きと言ってもらえると嬉しいです。

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